女性のワキガ

ワキガ体質に男女の差はなし

ワキガは、別名『腋臭症』とも呼ばれるわきの下から発せられる臭いで、他の体臭や汗の臭いとは異なる特別強いニオイを発します。

ワキガ体質の人の割合は、欧米人に比べると日本人は圧倒的に少ないのはご存じですか?そのため、かえって目立ってしまい悩む女性が多いとされています。またワキガ体質の男女の比率は正確にはわかっていませんが、ほぼ同じか女性の方が若干多いといわれています。

日本人は少ないワキガ

日本人のワキガ体質の比率は10~15%といわれ、欧米人の70~80%に比べるととても少ない比率となっています。

一般的に肉など動物性脂肪を多く取る食文化の国ほど、ワキガ体質の比率が高いようです。(この理由から食生活の改善も重要な臭い対策です)

欧米でワキガは生理現象として当たり前なので、不快に思う人が少なく病院で治療したり対策する人はほとんどいません。外国人でワキガである事を悩んでいる人は少ないどころか、フェロモンの一種としてとらえてる人が多いようです。

逆に、日本をはじめ台湾や韓国など東アジアの諸国ではワキガの人が少ないからこそ、目立ってしまい嫌な臭いと感じてしまうのでしょう。

ワキガ体質は女性の方が多い??

ワキガ体質は男性に比べて女性の方が若干多いとされている理由もいくつかあります。

女性の方がアポクリン腺が多い

汗の出る汗腺にはエクリン腺とアポクリン腺をいう二つの汗腺があります。このうちアポクリン腺は体臭の原因となるニオイのある汗を作ります。アポクリン腺はわきや局部に存在するのですが、男性よりも女性の方がこのアポクリン腺が多く分布しています。

女性の方が皮脂を分泌しやすい

また、男性に比べて女性の方が皮下脂肪が厚く、皮脂を分泌しやすいという理由もあります。皮脂が酸化し細菌による分解は臭いの原因となります。これらの理由でワキガ体質は女性の方が多いとされているのです。

女性はニオイに敏感

街中でワキガ臭を放っているのは、女性に比べて圧倒的に男性の方が多い気がします。が、女性に比べてわき毛の処理をしてないことや、ニオイに鈍感で対策をほとんどしていないことなどが大きな原因です。

女性の方が圧倒的にニオイに敏感だと言えます。香水が好きなのも女性、柔軟剤や洗剤に香りを求めるのも女性、お風呂で良い匂いの入浴剤を買うのも女性。そのため、女性は体臭にも敏感で、他人のニオイも自分のニオイも気にします。女性の場合当然のように日頃からエチケットとして最低限の臭い対策をしています。

しかし男性の多くは、1日中同じシャツをきて家に帰るまでそのままのケースが大半です。女性であれば、汗をかきやすい夏にはノースリーブやタンクトップを着て小まめに汗を拭きとる人も多いでしょう。最近でこそ、男性用のデオドラント商品も目にするようになりましたが、基本的に臭い対策を日常的に行っている男性は少ない。
この差がワキガ臭は女性よりも男性が多いと錯覚させる要因であるといえます。

ワキガと体臭は違う!?その原因とは

ワキガの原因

女性の場合、他人のニオイも自分のニオイにも敏感で、単なる汗のニオイをワキガだと思い込んで悩む人が多いと聞きます。

ワキガの原因を知ることで、臭いの発生のメカニズムが理解でき、効果的な臭い対策を取ることができます。

ワキガの臭いはアポクリン汗腺から

わきがの原因

体臭消臭クリーム「ラポマイン」ウェブサイトより

人間の皮膚の表面には二つの汗腺があります。通常体温の上昇を防ぐ汗を分泌し、全身に存在する「エクリン汗腺」と、体の一部にしか存在せずワキガの原因にもなる「アポクリン汗腺」です。

アポクリン汗腺から出る汗がワキガの臭いの原因となるのですが、このアポクリン汗腺は毛穴につながっています。身体のどこにあるかというと、耳の穴、わきの下、乳首、おへその周辺、陰部など体毛の濃い部分のみに存在します。(頭部には存在しません)

わきが体質の女性は、同時に陰部からも嫌な臭いがします。一般的に「すそわきが」と呼ばれています。

エクリン汗腺から出る汗は99%が水分で無色、無臭なのに対して、アポクリン汗腺から出る汗は水分の他、脂肪やたんぱく質、糖分やアンモニアなどを含んでいます。

毛穴を通して分泌される『アポクリン汗』は、やや粘り気があり水分以外の物質を多く含むため、皮膚の表面の常駐菌が繁殖しやすく、ワキガの嫌なニオイを発生させるのです。

大事なのはわき汗自体がにおうのではなく、細菌に分解・酸化された汗がくさくなるということ。そしてわき毛が独特なニオイを拡散させています。

ワキガの発症は思春期から

ワキガの発症はアポクリン汗腺が活発になる思春期からはじまるといわれています。女性の場合、ワキガは初経の2~3年後にはじまり、50~60歳の更年期以降に軽減するとされています。アポクリン汗腺の発達はホルモンの分泌の影響が大きく、そのため思春期以降にワキガ臭が気になり始めるのです。

また、耳の中のアポクリン汗腺は幼児のころから発達しているため、ワキガの特徴である耳垢の湿りのあるこどもは、将来ワキガになる可能性があるといえます。

ワキガは遺伝する?

ワキガは遺伝的要素が強いことがわかっています。両親どちらかがワキガの場合は50%の確率で遺伝するといわれています。ワキガの原因となるアポクリン汗腺の数が遺伝の影響を受けるため、ワキガ体質が遺伝するのです。

ただし、肉食中心の欧米人にワキガ体質が多いことから、食生活も大きく関係しているため、両親がワキガだからといって必ずしもそのこどもがワキガになるとはいえません。

食生活やストレスもワキガの原因に

ワキガの原因の大半は、アポクリン汗腺の発達によるものですが、食生活やストレスなどもワキガ臭を強くする原因となります。

肉類など動物性脂肪をたくさん食べると、皮脂腺が刺激され活発になります。皮脂腺から汗は出ませんが、肌の乾燥を防ぐために油脂成分(皮脂)が分泌されています。

皮脂はアポクリン腺とエクリン腺を発達させ、ワキのニオイをさらに強くする原因となります。

また興奮や緊張で、アポクリン汗腺が刺激されると発汗量が増えます。ワキガであっても普段の食事に気を付けたり、ストレスフリーの生活をおくることにより、臭いを抑えることはできるのです。

ワキガのにおいと体質チェック

ワキガの臭いと体質チェック

女性は自分の臭いに敏感なため、汗の臭いをワキガだと思い込んで悩んでいる人が多くみられます。汗をよくかく人が、多汗による臭いをワキガの臭いだと勘違いして悩んだりするケースです。中には、体臭のキツイ人が近くにいるせいで自分の臭いに過剰に反応する女性も多いと聞きます。

体臭全般にいえることですが、周囲の反応を気にしすぎてストレスを強く感じることが、体臭を強くしている場合があります。まずは自分がワキガなのかどうかをセルフチェックし、時には勇気を出して周囲の力を借りることも必要です。

ワキガはどんなニオイ?

ワキガの臭いは通常の体臭とは違ったニオイだといわれます。ワキガはどんなニオイかというのは、その人の体質や、嗅ぐ人の感じ方によっても違うので一概には言えません。

一般的にいわれるワキガの臭いは、「鉛筆のニオイ」「香辛料のニオイ」「雑巾のニオイ」などと例えられます。

ワキガのニオイは自分ではわからない

ワキガの臭いは他の体臭とも混ざるため判別しにくい上、自分の臭いは毎日嗅いでいるため、自分がワキガなのかどうかは気づけないのが現状です。ただし、ワキガ体質には共通の特徴があり、以下の項目でワキガなのかをチェックできます。

ワキガ体質のチェックシート

耳垢が湿っている
耳垢が乾燥してなく、ネバネバと湿っていることをアメ耳と呼びます。耳垢のたまる外耳道に、ワキガの臭いの元となるアポクリン腺が多いと耳垢が湿ります。外耳道にアポクリン腺が多いということは、わきの下にもアポクリン腺が多いと考えられワキガ体質だといえます。ワキガ体質の強い人は、100%耳垢が湿っているといわれるほど、重要なチェック項目です。
両親のどちらかがワキガ体質、または耳垢が湿っている。
遺伝による影響は3割程度といわれ、両親のどちらかがワキガ体質の場合、そのこどもも「アポクリン腺が多い」と言え、影響するとされています。
脇汗をよくかくまたは衣服に黄色のシミができる
脇汗をよくかくということは、わきの下のアポクリン腺の数も多く、働きも活発であるといえます。またアポクリン腺から出る汗は、黄色や茶色をしているので白い衣服が汗ジミで黄ばんだりします。
女性の場合わき毛が太い
わき毛が多ければ毛根も多く、アポクリン腺の数も多い傾向にあります。わき毛が太いこともアポクリン腺の発達に影響しています。

以上すべてにあてはまる場合はワキガ体質の可能性が高く、ほとんどあてはまらない人は体臭をワキガと勘違いしている場合があります。

悩み続ける前に確認を

「自分はワキガでは・・・」と悩み続けることは、問題の解消につながりません。逆に臭いに対して過剰になりすぎることが、かえって臭いを強くすることもあります。

自分でチェックしたり、周りの人に確認してもらうことで、まずは自分がワキガなのかどうかを調べてみることです。友達に嗅いでもらって「全然におわない」というケースはよくあります。

自分はワキガだと知った上で、対策や治療を考えていきましょう。

ちなみに実際どれだけアポクリン腺があるかを、専門の病院で検査することができます。当サイトではワキガの対策法や対策グッズなどを紹介していますが、自分でできる対策をしても、まだにおいが気になる女性は、恥ずかしがらずに専門の病院で診察されることをおすすめします。

ワキガの臭い対策方法

ワキガ対策

「ワキガの原因」でお伝えした通り、ワキガの主な原因は、

  • わきの下にあるアポクリン汗腺から出る汗が臭いの元
  • 皮膚の細菌がその汗を分解・酸化し臭いを発生
  • わき毛がその嫌なニオイを拡散
  • 皮脂腺から出る油脂成分がニオイを強くする

などが原因でワキガ臭が発生し、そのニオイが強くなります。それらを踏まえて、以下のような対策方法と予防法があります。

いくつか試してみて自分にあったものや、TPOに合わせた対策により、わきのニオイを抑える効果があります。また組み合わせて対策することで、より効果の高い対策となります。

食生活を改善してワキガを防ぐ

わきがにかかわらず、人間の体臭や口臭は食生活と大きな関係があります。動物性脂肪を多く取りすぎると、臭いの原因となる汗の中の油脂成分が多くなるので臭いが強くなります。特に動物性脂肪は、ワキガ臭の発生の元である「アポクリン腺」を発達させる原因ともなります。

ワキガ臭が気になる女性は、肉、卵、バター、チーズといった動物性脂肪が多く含まれる食べ物を控えることで、皮脂など臭いの原因成分の分泌を抑えることにつながります。

また、動物性脂肪を控えるだけではなく、ビタミンが豊富な野菜や魚、海草などをバランス良く食べることも重要。だからいって特定の食品に偏らず、バランスの良い食生活を心がけることが健康の秘訣で、わきがや体臭全般の対策予防です。

良い汗をかき水分補給をしっかりする

汗がニオイの元だからといって、汗をかかないように水分補給をしないのは逆効果。水分が不足しても、人間のからだからは必要な汗は出ます。しかも水分が不足した状態の汗は、臭いの成分が濃くなり、臭いが強くなってしまします。

良い汗は、水分量の多いサラサラの汗。日頃から半身浴や適度な運動で汗腺機能を高め、しっかりと汗をかく習慣を身に着けておきましょう。

衣類に気をつける

吸水性のあまり良くない衣類だとニオイが発生しやすくなります。化学繊維(ポリエステル、レーヨンなど)に比べて、天然繊維(コットンやウール)の方がニオイを抑えられます。

また、脇汗用のインナー類(下着)や脇汗パッドも効果的です。抗菌作用や消臭効果のある女性用のインナーも各社から発売されており、シャツや上着の汗シミや黄ばみ対策にもなります。重度のワキガでなければ、前述のデオドラント剤やわき汗をこまめに拭く対策と併用することで、十分な臭い対策になります。

脇汗をこまめに拭く

臭いの原因は皮膚にの残った雑菌とわき汗です。わき汗を雑菌と一緒にこまめに拭きとることで十分なにおい対策になります。

ただしわきの下を拭く時は、濡れたタオルやハンカチで拭くということ。乾いたタオルでは汗を拭きとることはできても、わきの下の雑菌や皮脂などの成分までは、きれいに拭き取ることができません。

また、わき汗をかいた直後は無臭です。かいた汗と雑菌が時間をかけ繁殖することが臭いの原因となるので、こまめにわき汗を拭くことがわきの臭い対策に有効です。

デオドラント剤(制汗剤)を利用する

わきの臭いを抑える最もスタンダードな対策法として、デオドラント剤(制汗剤)の利用があげられます。脇汗自体はそんなに臭わないものの、脇汗を抑えることはニオイの減少につながります。今は、汗を根本的に止める効果や殺菌作用のあるデオドラント剤など様々なタイプのものがあります。

状態は個人差があります。多汗でわき汗をよくかくのか、わき汗の量は少ないが臭いがきついのか、自分の症状に合わせていろいろ試してみるべきです。また、スプレータイプやクリーム、直塗りタイプなど、自分の生活スタイルに応じた使いやすい制汗剤を選びましょう。

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デオドラント剤(制汗剤)の対策は以下ページにて

制汗スプレーやわきに塗るデオドラント剤(制汗剤)でワキガ対策
制汗剤・デオドラント剤でワキガ臭対策わきの臭い対策の定番といえば、制汗剤やデオドラント剤の使用です。普段わきのニオイが気にならない女性も、エチケットとして夏はもちろん年中利用しています。デオドラント剤の効果は大きく分けると、「わき汗...

わき脱毛でワキガが治る?

ワキガ臭はアポクリン腺から出た汗と皮脂をもとに皮膚上の雑菌が繁殖することで発生するので、わき脱毛によりわき毛がなくなれば、脇の雑菌が減少しニオイを軽減させる効果が期待できます。

ただし、わき脱毛が根本的にワキガを治すことにはなりません。わき脱毛で、わき毛がなくなると清潔にしやすくなるため、ワキガ臭が軽減されるのです。脇汗が止まるわけではないので、他の臭い対策の併用も必要です。

ワキガ対策が限界なら手術で治療

上記に挙げた対策は、根本的な治療ではないので、重度のワキガの女性の場合はどうしても限界があります。様々な対策方法を試した結果、それでもニオイが気になる場合は手術を含めた治療法を検討する必要があります。

ワキガの手術による治療について

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